執筆作業

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うんこマン・レジェンド 36話目 小事件の犯人

公園から帰宅する途中、一台のバイクが猛スピードで道の真ん中を通り過ぎた。道の端を歩いていた俺はバイクに乗っている茶髪に見覚えがあった。薬袋だ。後ろからパトカーに追いかけられている。真昼間から暴走行為……つくづくワルだな。

まだバイク免許を取得できる年齢ではないから、無免許運転か。危ない。

見ているとバイクは小さな橋を通り過ぎて河原の横にある狭い堤防道路に入った。あそこはパトカーでは追跡できないな。

そのまま堤防道路をグングン進んで薬袋のバイクはやがて見えなくなった。

パトカーは一旦追跡を諦めたようだ。白バイあたりに救援要請しているのだろうか。停車している。

それにしても暑い。家に帰る前に川で足でも冷やすか。俺は堤防にある階段まで行って河川敷に降りた。川の水は冷たかった、が日陰じゃないので涼しくはならない。今日は日差しがキツい。

橋の下なら涼しいだろうと思ってそちらを見るとホームレスの住処になっていた。

ビニールシートと段ボールの家。ビニールロープが張ってあって洗濯した衣服がたなびいている。ほとんど薄汚れた衣服ばかりだが、綺麗なトランクスもある……ん? なんか全部柄に見覚えがあるパンツだ。まさか。

ホームレスのおっさんがビニールシートと段ボールの家の中から出てくる。おっさんがちょうど洗濯物を取り込んでいるので聞いてみることにした。

「なぁおっさん。そのトランクスってどこで拾ったんだ?」

ホームレスのおっさんは無視。

「おっさんが話さないなら今橋の上にいる警察に言うよ? そのパンツ俺のだから」

ホームレスのおっさんが俺の脅しに振り向く。かなり機嫌が悪そうだ。ちょっとマズいか?ホームレスのおっさんは怒気を孕んだ声でこう言った。

「このパンツはなぁ……買ったんだよ! 一枚五十円でな! 前使ってたパンツが穴開きになって困ってたからな」

泥棒扱いされる謂れはねぇよ! と吐き捨てるようにさらに言った。

「買った……? 誰から?」

おそらく瀬元達がこのホームレスのおっさんに売ったんだろうが、一応橋の上を見ながら言う。ホームレスのおっさんが発した返答は驚くべきものだった。

 「さっき通り過ぎてったバイクの兄ちゃんからだよ……あの時タバコ代の足しにするからとか言ってたぜ」

は?