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うんこマン・レジェンド 33話目 相棒はピッチングマシーン

理想論を言えば薬袋のパンチを避けれるようになった方がいい。

しかしこの前の殴られ屋のようにパンチを見切るには長年の鍛錬が必要だ。

短期間ではボクサーのパンチを躱すには至らないだろう。だが反応さえできれば……防御ができる。

さらにボクサーのパンチが避けられないのは距離を詰められたらの話で腕の届かない範囲では無意味だ。

距離を詰めさせない方策はまだない。

ではパンチにどうやったら反応できるようになるか?

俺は近所のバッティングセンターに行くことにした。

ボクサーのパンチはだいたい時速四〇キロメートルだと言われている。秒速一一.一メートルくらいだ。顔面が八〇センチメートルの範囲にある場合、到達時間はおよそ〇.〇七秒。人間の反応速度は〇.〇八〜〇.一秒が限界だと言われているのでパンチに気づいた時にはもう遅い。

近所のバッティングセンターは最大時速二〇〇キロメートルの球が打てる。

ピッチングマシーンとの距離は一六メートルくらいだ。

時速二〇〇キロメートルの球速だと秒速五五.五六メートル。時速二〇〇キロメートルの球が一六メートルの距離からホームベースに到達する時間は〇.二八八秒だ。

ボクサーのパンチとは距離がある分かなり遅いが、まずはこれくらいの速度に反応できないとお話にならない。俺はこのバッティングセンターで時速二〇〇キロメートルの球を打てるようになるのを当面の目標とした。

ホームベースの横にある装置で時速二〇〇キロメートルの球が発射されるように設定する。

バットを握りしめる。来るか? と思っていたら、すでに発射されていたらしい。ホームベースのあたりを転がる第一射のボールに気づく。

球が全く見えていない。先は長そうだ。