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執筆作業

小説を投下する場所

うんこマン・レジェンド 24話目 裏路地の殴られ屋

電車に二十分ほど揺られると市内の繁華街に着いた。

同じ市内でも俺の住んでいる所とは賑わいが違う。夜の七時頃。

姉貴はどんどん繁華街の物騒な方に向かって歩いていく。夜のお仕事のお店がそちらにあるからだ。

繁華街はオタショップとかオシャレな感じの店とかがある場所もあるが、大抵どの地域の繁華街にも風俗店やラブホテルが軒を連ねている場所がある。繁華街の裏の顔だ。

まぁ新参なのはオタショップやオシャレな感じの店の方で繁華街って言ったら色街の要素の方が先にあるもんなのだろう。詳しくは知らんが。

 「なぁ姉貴。オタショップとかそこらへんのコーヒーショップとかってヤクザにみかじめ料を払うもんなのか?」

「払わないと荒らされるし……払うんじゃないの。ビルのテナントで商売してる店はとくに。オタショップは知らん」

姉貴はビルとビルの間の路地に入った。近道か?

「この先の裏路地にあの人いるから会って話してきたら」

殴られ屋か。向こうも商売だから一回は殴らないといけないんだろうな。

「一回何円?」

「千円」

高いのか安いのか……いや多分高いな。全部パンチを避けられて千円だと高い。

「ちなみにノックアウトで七万。ただし反則をすると一万取られる」

七万か……かなり自信があるな。

「姉貴は話したことあんのか?」

「いんや。でもわたしのことは知ってるんじゃないかな」

ふーむ。姉貴が気になってるのか? 殴られ屋に鎌をかけるなりしないとわからんが、もしかしてホの字ですか? 十一回フラれるということは十一回彼氏ができたという意味である。姉貴は顔はそこそこだが、身体はテレビのモデルと拮抗してるレベルだからな。俺が近親だから顔の良さがわからないだけで意外に顔も美人なのかもしれん。

「よし着いた。わたしは店に行くからあの人と話してから終電の前に帰れよ」

ビルの壁に四方を囲まれた裏路地に出た。意外と広いな。姉貴は来た路地を引き返していく。

発電機と照明が四隅にあり、裏路地の真ん中をまぶしく照らしている。

そこに殴られ屋と思しき男が立っていた。こちらを見るとニコッと笑う。

「お客様ですか? 一回千円になりますが、やりますか?」

やけに低姿勢。もうちょい怖いかと。が、辺りを見回して印象が変わる。

照明がまぶしくてわからなかったが、倶利伽羅紋紋が腕にあるお兄さん達がビルの壁を背に立っている。ざっと十人くらい?

ヤベェ。ちびりそう。