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執筆作業

小説を投下する場所

うんこマン・レジェンド 13話目 変革と変態

いじめの主犯格であるあのヤローが自分の彼女を寝取られたあげく、喧嘩を挑むも薬袋に完膚なきまでに叩き潰されたニュースは瞬く間に学校中に広まった。あのヤローはこの学校での権力をほぼ失った。

井原はすでに薬袋にべた惚れのようで薬袋の言うことしか聞かないようになっており、薬袋はいじめをするよりもっぱら女と遊ぶ方が好きなようで……よって井原によるいじめの隠蔽工作はなくなった。スクールカースト上位のいじめっ子達は女子たちの口封じができないのと担任をスクールカーストの内部に維持することができなくなり、身動きが取れないようになった。

あのヤローはしばらく登校していたが、綺麗どころの女子たちに嘲りの視線を浴びてついに耐えられなくなったのか……学校に来なくなった。

俺は平和に便所飯ができるようになり、安心して学校に通えるようになったと思ったが、一難去ってまた一難。

やはり便所飯しているトイレに薬袋がタバコを吸いにやってくるのだ。

タバコが煙たいとかは我慢すればいい話だったのだが……あの日の真実を俺は知ることになる。

いつも通り便所飯をしていると薬袋が窓際の隣の個室に入った音がした。珍しくタバコの煙の匂いがしないのでどうしたのかと思ったが、便所飯を続ける。吸わない日もあるのだろうか? 

クチャクチャとガムを噛んでいる音がした。

まさか禁煙してる? と思ったが的はずれだったことを数秒で悟る。

パタパタとトイレのスリッパの音がする。誰か男子トイレに入ってきた。

無言のまま隣の個室に入る気配……は?

一瞬思考がフリーズしかけた。どゆこと?

ペチャペチャ。何の音だ。

チュッパチャプスでも舐めてるような音がした。なんとなく嫌な予感。

しばらくするとハァハァと息遣いが荒い呼吸音。

数秒後、隣の個室がガタガタ揺れ始めた!震度1くらいだ。

あーなるほど。

あの喧嘩の発端となる時系列に俺はいた。

嫉妬の表情をしていた女が「変態じゃん」と言った理由をようやく理解する。

女が甘い吐息を漏らす。ん? 井原じゃないな……誰だ。

とりあえずトイレから出た時に鉢合わせるとマズいな。確実に気まずいだけでは済まない気がする。

俺は前かがみになりながら個室の扉を音がしないようにゆっくり開けて閉めて、男子トイレを後にした。厄介ごとは常に畳み掛けるものである。